タロット四コマ練習

1:悪魔の逆位置

2:女帝の逆位置

3:皇帝の正位置

4:女教皇の正位置

1:あなたは自分の頭の中で鳴り響く甘い言葉に誘われて、今までの自らの行いを省みることなく、つい欲望に負けてしまった。軽い気持ちだったはずなのに、首にずしりと重たい鉄の鎖が巻きついたような気がした。だが、なぜだかそれが心地よい。これが悪魔の誘惑というものだろうか？ぼんやりとした頭の中では、メラメラと音をたて、欲望の炎が怪しく揺らめいていた。体がいつもよりも重たく感じる。ぐったりとその場に横たえたあなたは、考えることをやめてしまった。

2:あなたは悪魔の誘惑に甘え、怠惰な生活を貪っていた。豊かに実っていた作物は荒れ果て、空から降り続く雨があなたを濡らす。しかしあなたは動くことなく、ぼんやりと虚ろな目で周囲を眺めた。かつてここは美しく栄え、自分自身もありあまる豊かさに満足していたはずだったのに。ただ、その実りは自分だけの努力でなく、他の人の助けもあって成り立っていたもの。今はそんなあなたの姿に飽きれ、誰もいなくなってしまった。1人きりになってしまったことを痛感したあなたは、ゆっくりと腰をあげた。

3:自らを戒めるために居心地の良かったみ水辺から去ると、長く険しい道のりがあなたを待っていた。しかしあなたはめげない。今までの怠惰な自分を思い出し、それを恥じてとてもとても長い道を歩き続けた。

すると、山の頂上に石でできた大きな椅子があることに気づいた。足腰の疲れたあなたは石の椅子に腰掛けると、歩いてきた道々に思いを馳せた。たくさんの出会いと別れ、小さな喜び。色んな出来事を思い出しながらふと気がつく。あんなに頭の中で谺していた悪魔の囁き声が聞こえなくなっていることに。

4:あなたは悪魔の誘惑に負け、怠惰な生活に甘んじていた自分を恥じた。そして、そんな己を律するようにと深く椅子に腰掛け直し、これからどうするべきかと思案する。足元では、まだ欲望の残り香が甘い香りを放っているが、あなたはそれを拒絶するかのように踏んずけた。悪魔の手下も、あまりの痛みに静まり返った。あなたは自らが手に入れた静寂の中、トーラの書を握りしめ、屹然と前を見据える。あなたは自分が何をすべきなのか、もうわかったようだ。あんなに虚ろだった2つの眼には、強い意志の表れとして、青い炎が静かに燃えているのが見えたのだから。